私にとっての癒し系 世の中って本当に疲れます。いきなりですが、時としてこれでもかと作業を押し込まれ、そんなに一度に出来ないよと思いつつも、自分のキャパシティを増やすためなどと真摯にそんな悪夢のような状況を認めてしまうことってありませんか?。お風呂に入ったりマッサージを受けたり、美味しい食事や、ちょっとかわいい女の子と会話したり(^^)、なんだかんだと疲れが取れてきたら、少し位ギターが歪んでいても大丈夫でしょう(笑)。そこで聞きたいのが「え !、Tom Scott ?」なんですよ。彼自身はバリバリのフュージョン系ミュージシャンですが、この取って付けたみたいな企画アルバムでは、それでも久しぶりにTomらしいバリトン・バリバリの曲が入っていて、好きなんです。とりあえずはインスト・ナンバーですが6曲目の<Givin' Our Best>から聞いてください。この曲のDean Parksって、この人はこんなギターも弾けたの?って言うような、ギュンギュンのディストーション・ギターを聞かせてくれてます。特別難しい事やっているようには聞こえないけれど、ツボを押さえた、良い仕事しているように思います。いかがでしょうか > Guitar ML。使用機材の詳細あたりも含めてレスください(爆)。 この人のSaxって、どうしてこんなに格好良いのでしょうか。名盤『Street Beat』や『Apple Juice』など、一吹きでそれと分かる独特な音色は、まさに職人ワザ。音一発で「あの人」って分かるミュージシャンって少ないですよね。彼はそんな中の一人だと思います。 さて次は1曲戻って<Reason for the Rain>。Sembelloチックな、ちょっとエスニック入ったジャージーなメロディー・ラインですが、登場するボーカリストは、愛しのBill Champlin様。ここでギターを歪ませているのはMichael Thompson。目立ったソロはありませんが、なかなか良いです。この曲のTomのTenor Sax Soloがまた泣かせます。 そろそろ気持ちも落ち着いてくるので、夏の余韻を楽しむ大人モードの曲にしましょうか。Ambrosiaのキーマン(だと私は思っている)David Packのボーカル・チューンの、アルバム・タイトル曲<Keep this Love Alive>。この曲のキモは、実はTom自身が担当するStrings Synth.だと思っています。Bメロの裏で薄く流れるOberheimのこの音って、とても好きなんです。粘り気があってザラザラした音だと言って、分かってもらえますかねぇ。この音欲しくて30数万円も出して中古のシンセ買ったくらいって(もう手放したけど)、関係無い話でしたね。失礼しました。もちろんSax Soloもバッチリです。 そして最後には、まさに薄明かりが残る夕暮れ時に流れたら最高の気分にさせてくれる<If You're not the One for Me>といきましょうか。David Paichのエレピにのせて歌うB. Champlinのファルセット・ボイスにBrenda Russellのミドル・トーンの効いたボーカルがからむ、このアルバムの1曲目です。バックを支えるのはJohn RobinsonにAbe Laborielのリズム隊。D.Parksのディレイたっぷりのギター・カッティングが心地良い音像を創りだします。「ほんまにT.Scottのアルバムの曲?」と思わず関西弁になってしまうほど。しかもこの曲はTamara ChamplinとBruce Gaitschの共作という、収録曲の中で最もA.O.R.度の高い作品です。 ここまで聞いて、やっと普段の自分に戻ってきたような気がしています。人の痛みや悲しみって、救ってあげることはできません。逆に自分の辛さは自分で何とかしなくてはなりません。そんな時には、音楽って絶対必要だと思いました。 |
![]() Tom Scott/Keep This Love Alive (1991年) 80年代前半のSony時代に、ある意味で全盛期を迎えたといえる彼がGRPに移籍した後に、やっと聞けるアルバムを出したと思ったら、思いっきりボーカルをフューチャリングしたものだったなんて、ちょっと悲しい気がします。反面、AORなボーカリストが続々と美声を聞かせてくれるので、ちょっとニヤっとしたりして(^^;;;)。 |