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いつもの朝

 「ピピピ....」。いつもと違う目覚ましが部屋に響きます。極厚のカーテンからは光りは一切漏れてきません。「ふぅ〜む」と伸びをしつつ、決して寝起きの良くない私も、さずかに仕事を控えている時は、渋々ベッドから降りはじめます。カーテンを開けると朝陽が容赦無く部屋の中に差し込んできます。その輝度に耐えられず目を開けられぬままバスルームに向かい、シャワーの栓を全開にします。

 例えばM浜などで仕事をするときなどは通勤に時間をかかり過ぎるため、ほとんどの場合は近くのホテルに宿泊することにしています。本番にそなえるとの大義名分のもと、ようはラクしたいだけなのですが、普段は裁量労働で出社時間が自由な私には、毎朝7時に家をでる生活を一週間近くも続けるなんて、とても耐えられません。それこそ時間にちゃんと顔だせたとしても、とても使い物にならない状態に陥ることは必至です(^^;;)。年に何本かこのような現場があるので、そんな時は、こんな朝が日常となります。おかげで大抵の場合、誰よりも早く現場入りすることができ、オープンに向けた準備に勤しむ真面目なイベント屋の姿が、まだ1/2照明で薄暗い会場内で見られるという訳です。

 ある時ホテルに持参したCD-Rに、このアルバムを入れていたら何とも爽やかに気分になれました。以来、そんな現場がある時の私のテーマソングとなっています。ある時など本番前のサウンド・チェックにも使ってしまいましたが、その時にオペ君から、「きっとこのホール内にいる百数十人の中で、この曲を知っている人は誰もいませんよ」などと言われて苦笑してしまいました。日本盤もリリースされて、それなりに知っている人もいるはず...と思いましたが、頷けるような気もします。こんなに良いアルバムなのに。
(2000/03/26)





 The President / By Appointment Of (1983年)
 
 まだCDが1枚3,500円もしていた頃にCD化されていました。中古屋をさんざん歩きまわっている私も一度も見たことがありません。LPではたまに見かけていましたが、今ではサッパリ。このまま埋もれさせるのは実に惜しいアルバムだと思いますけどね。



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