【スポーツ】横浜ベイスターズ株式譲渡に疑問 珍しく読売の渡辺氏と意見が一致した(^^;;)。今回の横浜ベイスターズの株式譲渡については私も疑問がある。ことの顛末はこうだ。ベイスターズの株式の51%を保有するマルハ(元の太洋漁業)が所有株式の一部を同じく株式を保有するニッポン放送に一部を譲渡して、実質上のオーナーがニッポン放送になったというもの。報告を受けた連盟は、「球団内の株式保有割合の変更」として特段に問題視していない。オーナーがマルハ社長の中部氏からニッポン放送の川内氏に来年3月をメドとして代わる予定とのこと。 何が問題かといえば、ニッポン放送はフジサンケイ・グループでフジテレビの筆頭株主だ。フジテレビはヤクルト・スワローズの有力株主。すなわちグループ企業が同一リーグ2球団の株主だということ。日本のプロ野球はオーナー企業が経営の実権を握っている。単に筆頭株主でなければ良いという問題ではない。野球協約によれば「直接間接を問わず他の球団の株式を保有することはできない」とあるという。 読売巨人のオーナー渡辺氏がかみついたのもこの点だ。かつての西武の例を引き合いにだして、西武がクラウンライター・ライオンズを買い取った時に、所有していた太洋の株を手放したという。野球協約に抵触する恐れがあったからだ。それぞれが独立しているとはいえグループ内で複数球団の株式を持つというのは果たしていかがなものか。ニッポン放送からは、「マルチメディア時代の有力コンテンツとしてのプロ野球の可能性...」なんて、分かるような分からないような趣旨の発言があった。筆頭株主が他球団の実質的なオーナーとなった以上、フジテレビはスワローズの株式を手放すのが筋だろう。 複数球団の株式の保有を禁じているは、その球団同士のゲームが八百長になる可能性があるということと、有力選手の引き抜きなどで一方のチームの機能が失われる可能性があるからだという。いずれにせよ球団そのものがオーナー企業の傘下でぶらさがっている構造の日本のプロ野球界においては、いらぬ勘繰りを受けない意味でも、こんな事態は避けるべきだ。渡辺氏の「読売が巨人をもっているので、日本テレビに他球団の株主になってもらって、そこの有力選手をトレードで巨人に集めて...」というのは極論だけれど(^^;;)、そんなことだって出来てしまう事態を連盟は認めてはいけない。 横浜はマルハという親会社がありながらもその名を冠していない珍しいチームだ。2軍を独立採算として別の名前をつけて、より市民に近いところで球団運営を試みてきたチームでもある。巨人は東京のチームというよりも全国区の球団で、地元意識で応援できるチームが無いことに寂しさを覚えている私にしてみれば、横浜市民が羨ましく思っていた。それが他球団の株式を持つ企業グループにその経営権を委ねてしまうとは何ということか。 一方では電波メディアがプロ野球経営に乗り出すことへの期待もある。読売や中日といった、ある意味で旧態依然としたメディアにはない可能性への期待もないことはない。いずれにせよ渡辺氏は連盟に対して徹底的な解明を求めていくとのことで、成り行きが注目される。頑張れナベツネ(^^;;)。 (2001/11/17) |