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【スポーツ】巨人改革(1)

 ヤクルトの優勝決定を受けて、原巨人が来季に向けて本格的に始動した。まずは明日8日から6日間の予定で秋季キャンプを張る。キャンプと言ってもトレーニングとリハビリが主なメニューとなる。主力選手を中心に18名ほどの参加というが、野球ワールドカップに派遣される高橋由と阿部も3日間だけ参加するという。昨年は温泉地で行われたリハビリ中心の合宿だったけれど、今年は本格的なトレーニング設備の整った施設で行われるという。たぶん千葉の真名辺りかと思いますが...。
 こんな当たり前のことが記事になるほど日本の球団は腐っていたのか。街中のスポーツクラブだって運動前はアップとストレッチで準備して、運動後はクールダウンのためのストレッチをするのは常識。もっとちゃんと選手を管理しなさいってば、各球団。プロ選手は強い自覚の元で自分の体は自分で管理するものなんて、20世紀の考え方。選手を放っておいてチームとしての成績がともなわないのは、管理者の職務放棄でしょ。それに必要な資金を調達するのが球団の役割、オーナーの責任でしょ。あれだけの過酷な興行を強いていて、シーズン終われば後は勝手にどうぞだなんて、いかにもお粗末な対応といえるでしょう。温泉入って体を休ませて、ゴルフさせて気分をリフレッシュさせてなんて、まるで科学的じゃないです。酷使した筋肉をトレーニングで再生活性化させる...そんなの素人だって考えつく常識でしょ。「今年はトレーニング施設があるから良い」だなんて、大巨人軍の主力選手の発言とは思えませぜ。昨年に清原が自費で大枚叩いてアメリカでトレーニングしてきたおかげでタイトル争いできるほどの体力を回復させたけれど、自費で自己管理できる選手なんてごく一部。しかもまだ伸び盛りの若手にそんなトレーニングを施せない球団なんて、とてもプロとは言えないですよ。各選手の体力チェックに始まり、個々に補うべきポイントを明らかにして、必要なリハビリとトレーニングを秋から冬にかけて球団主導で行うべし。その間にチームの戦力分析を徹底して行い、必要な戦力の育成・補強のプログラムを構築していく。大巨人軍なら自前でトレーナーを養成するくらいの度量を見せなさい。球団が選手を管理化における期間が決められている日本のプロ野球制度であれば、オフの間は事前に各人にトレーニングのメニューを配り、筋力などの目標値を設定して、明けてキャンプまでに各人の責任で自主トレに励ませるべし。そこで目標値に達していない選手がいたならば、プログラムやメニューに落ち度が無ければ、別メニューのトレーニングを課して1軍キャンプには合流させないなどの処置をすべし。この位のことはとっくの昔からしていると思ってましたよ。
 原新監督になって初めて行われる強化プログラム。しかし問題点は実はまだあるんですよ。コーチング・スタッフが決まっていないこと。果たして原がチーム作りの全責任を負うつもりなのでしょうか。全般わたって監督をサポートするヘッド・コーチ、打撃、守備、投手、バッテリー、トレーニング、....様々なコーチング・スタッフが決まらないうちにチームを始動させることって危険です。どんなチームにしたいのかという原監督の方針はあるのだろうけれど、今年の他チームの分析も合わせて行ったうえで、来季優勝するてめに必要な戦力、作戦とは何かを吟味しないうちに、とりあえず選手をいじるなんて、首脳陣の責任は半分も担っていないと思います。原新監督には、出来るだけ早期にコーチング・スタッフを決定してミーティングをもち方針を決めるべし。そして現有戦力の分析をして各選手の能力を最大限に活かすべくリハビリとトレーニングを行う...これが正しい順番じゃないですかねぇ。やはり改革するのは選手というよりも球団そのものなのでしょうね、巨人ってチームは。
(2001/10/07)


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