【社会】会社は誰のもの。 相も変わらぬ不況の中で、もはや日常化した感のあるリストラの新聞記事。それを眺めながらつくづく思った。「会社は一体誰のものなのだろうか」と。 リストラの目的は経営状態の健全化だ。売上規模に見合うバランスのとれた収支構造をつくるために、突出していると見える人件費なり内部経費を削減しようという発想から、社員のリストラを進めようというところだろうけれど、ちょっと待って、何か釈然としないものがありませんか?。世間をみてください。構造不況業種とされている繊維業界ではユニクロが破竹の勢いで成長しているように、それぞれの業界にはリストラという処方箋に頼らず業績を維持あるいは伸ばしている企業が多数存在している。すなわち企業の経営構造を改革する前に、経営者の経営体質を改善するほうが先なのではないかと思えてならないのだ。まず売上を伸ばすための施策は十分にとられたのだろうか、こまのような経営状態に陥らせたのは社員(数)に原因があるのだろうか。違いますよね。 ここで問題になってくるのが、「会社は誰のためにあるのか」という視点。「...もって社会に貢献する」なんて経営方針を掲げている企業が多いはずだが、経営者は「売れないものは扱わない」と、消費者・ユーザーの視点をもっていない。「売れないものは消費者のニーズに合っていない」との不文律の詭弁をふりかざして、不採算製品を切捨てる。熱心なリピーターが存在する製品を「売れる売れない」の基準だけで作らなくなる。おいおい、どこに消費者の視点があるんだい?。 会社という構造体には、「経営者」と「社員」、そして製品・サービスの恩恵をうける「消費者・ユーザー」、そしてそんな会社に投資する「株主」という4者の立場(視点)が存在している。売上がともなわないから不採算部門を切り捨てるとか社員をリストラするという、日本の大多数の企業は、経営者のために会社がある...少なくともわが社はそういう企業であると、一般社会に対して高らかに宣言しているとしか私の目には写らない。経営不振に陥ったのは経営者の責任である。「不況で...」と言い訳している間があれば、不況にもかかわらず業績を維持・発展させている同業他社があることをしっかりと認識しなさい。社員数を減らすとか賃金を抑制する前に、自らの報酬を返上しなさい。これだけ身を削っているので痛みを分かち合ってほしいとの弁明(でもいいや...^^;;)があってからリストラを進めなさい。こうしてみると日本の企業の大半は経営者のために存在していると思わざるをえません。もともと株主が経営参加するという土壌の無い日本では、いくら株を買って、その企業の提供する製品・サービスを応援しようとしても、肝心の経営者にそんな視点が無い以上、まるっきりのマネー・ゲーム以外の何者でもなくなってしまいます。であれば業績の伸びが期待できない以上、株式市場に資金は流入するはずがない。旨みも気概も無いのだから。 経営責任を取って退任する経営幹部に対して一般社員の場合とくらべると破格の退職金を平気で支払う企業が多いのですから、推して知るべしです。そんな企業だらけの日本。高度成長した時代があったこと自体が奇跡だったと言えるでしょう。儲かるからといって洋服屋からレコード屋、回転寿司屋からマッサージサロンなんて業態をころころ変えることも平気な商店主がいるほどですから、経営方針は「自らの金儲け」ですと堂々とうたっていた方がウソが無くてよいです。そんな店の製品やサービスには、それを享受することによって得られる満足度は低いです。であれば二度と利用しなくなり廃れていく....当然ですよね。そんな会社に就職してしまった人は不幸です。早期退職で退職金の上乗せなどの制度があればラッキーくらいに思って、早々に転職を考えましょう。崇高な理念を掲げ将来を見据えた企業活動を展開しているように見せても、将来ばっかり見ていて現実を放ったらかしている企業も、満足度の高い仕事は期待できないですよ。行動を起こさなければ何も実りません。あなたの勤めている会社は誰のためにある会社でしょうか。私は....!???。 |