【社会】危うく闇の中、外交機密費問題解明に真紀子大臣奮闘! 国会の代表質問などでは事前の盛りあがりに比してその脆弱な体質を露見し始めている小泉内閣だが、この新大臣の活動は前評判とおり目立っている。田中真紀子新外務大臣が人事問題で外務省官僚と対決しているのがここ数日話題だ。 事の起こりは今月7日、フランス行使に任命された元会計課長が大臣室に挨拶に出向いたことから。大臣は当然のことながら赴任直後で省内の新人事については十分に把握していない。大臣は驚いた「あなたは機密費問題に関係あった人でしょ」。外務省は事件関係者を新大臣赴任の前に海外に出す人事を決めていたのだ。ちなみに元会計課長は3月付けでロシア課長に異動になっていた。前ロシア課長は日ロ首脳会談直後に自民党橋本派幹部の介入で異例の異動で英国行使に任ぜられ単身赴任することになっていたという。大臣は激高しロシア課長交代の人事の取り消しを求めた。すると外務省は、既に昇格人事を発令した新課長が降格となってしまい国家公務員法上で問題が起きると反発したという。これは問題のすり替えだ。こんな理論を展開されては田中大臣でなくても怒るのは当然のこと。この一連の対応をしたのは当然省内ナンバー2(ナンバー1は大臣)の事務次官。次官と新大臣との溝は決定的なものとなった。 「外務省は伏魔殿のようなところだ」と田中大臣は記者会見で語ったという。真摯に国家国民に奉仕している担当者がいる反面、何らかの特権意識をもち威張りちらしている官僚がいるのも事実。国民感情に照らして外交機密費問題での外務省や政府の対応は納得のいかないものだった。その事件直後に成立した新内閣は、この問題を既に過去のものとしての意識は無い。それを従前の対応で十分だとしていた次官の判断が甘かったということだろう。一連の出来事をマスコミは面白おかしく報じだした。田中大臣の暴走だとする論調もみえたりする。しかし暴走しているのは間違い無く外務省だ。前ロシア課長の復帰と事務次官の早期更迭の方向で事態の収拾がはかられている。官僚秩序無視との声も聞かれるが、そもそもこんな秩序そのものが常道を逸した秩序だ。小泉首相は「任命責任は自分にある」と語り、田中大臣の対応を容認している。機密費問題の再処分は適正を欠くとの発言が内閣内からもあがる一方で、処分そのものが不適正だったとする国民の意見があることも忘れてはいけない。 新内閣は自民党員の人気だけで選ばれたものではあるけれど、前内閣と比べれば各段に民意が反映されたものであることには違いない。「野党から追求される」と外務省幹部が語っていると朝日新聞では報じているが、追求されるのは新大臣ではなく外務省側だということに気付いていないのだろう。朝日新聞は外務省から何かもらっているのだろうか「改革内閣 目玉外相 アキレスけん?」などと曖昧な見出しをつけて一面で今回の件を報じているが、内閣運営に支障をきたす問題になりかねないとの視点で書かれている記事はあまりに一方的な見方だ。問題をうやむやにしない田中大臣のけじめのつけ方を私は支持したい。自民党だって、やるときにはやれる...田中真紀子という政治家が自民党に固執してきた真価が見れるものと期待したい。 (2001/05/12) |