4年に一度の全世界統一運動会が行われています。国と国の威信を賭けた一大イベントではありますが、それだけでなく様々なことを考えさせてくれるオリンピック。色々まとめてご紹介しましょう。
【野球】 最後まで尾を引くプロ側の参加態度。
初戦のアメリカとのゲームでは惜しくもサヨナラ負けしたものの実に好調な日本チーム。今も韓国相手にリードは許しているものの良いゲームをしています。 野球といえば日本としても初のプロ・アマ合同チーム......プロ側の対応については、ここでも何度か話題にさせてもらっています。プロ野球ペナントリーグは大詰めを迎え、セ・リーグはジャイアンツがM1、パ・リーグはダイエーが盟主ライオンズに一歩リードしています。プロ野球のオールスター・チーム編成で望めとは思わないものの、アマ側から期待された選手はプロのリストにはありませんでした。ここで一考。ライオンズは松坂、ダイエーは松中。ともにチームの主力ですが、松坂は1週間に一度、松中は毎試合戦力として期待される選手達。これだけでもダイエーにハンデがあります。主砲を欠いたダイエーはチームの勢いが落ちてしまいました。二人共に代表チーム編成上必要な戦力として望まれて参加しているのだし、両球団ともそれに応えてくれたのだから、五輪に参加していない選手達も頑張ってペナント・リーグを盛り上げてほしいものです。さらにはバファローズの中村、オリオンズの黒木、ブルーウェーブの田口など、アマ選手を盛り上げチーム作りでリーダーシップを発揮していると伝えられていて、実に嬉しい限り。精一杯自分達のブレーをしてきてほしいです。 それにひきかえセ・リーグ各球団の対応の冷たさは、やはり非難されてしかるべきものだと思います。ジャイアンツからは一人も代表チームに合流していないし、2位を争そうドラゴンズも一軍半の選手......待望久しかった古田捕手の参加を認めなかったヤクルトに至っては、おい、今何位にいるんじゃい。古田不参加にともなって白羽の矢が立った鈴木捕手はとても頑張っていると思いますが、見劣りするのは否めないところ。案の定、優勝争いにかすりもしない成績に低迷しています。「優勝に絡まないなら古田を出しても...」などと言う気は更々りませんが、古田無しのチーム編成が考えられない......そんなチームしか作れなかったヤクルトのフロントは猛反省してほしいです。もし古田が怪我をして出場できなければ...いや、出場していてもこの程度の成績しかあげられないのなら、監督交代の前にフロント一新で戦力アップに全力にあたる姿勢を全野球ファンに示す責任があると思います。 おいおい、オリンピックの話題からズレていないかい(笑)。いやいや、次のオリンピックのことを考えると、鉄は熱いうちに...ってことで、今からプロ・アマ合同チームについてのあり方を考えていきたいってことなのです。で実はこのことは、日本のオリンピック派遣選手のあり方にもつながる重要なテーマだとも思うのです。このテーマについては、いずれまた......。
(2000/09/23
pm0:05)
【柔道】 篠原、誤審に泣く。
男子柔道100kg超級の決勝戦。日本の篠原とフランスのドイエとの試合で、明らかに1本を取った篠原の技を主審が見逃し、逆にドイエにポイントを与えるという大失態を演じました。23日付け朝日新聞の一面でも「疑問の判定、日本抗議」の見出しが目立っています。おいおい、疑惑?、誤審だってば。国際柔道連盟の審判委員長は誤審を認めたうえでルール上審判が判断した通り受け入れるしかないとコメントしていますよ。「疑問の判定」ではありません。「誤審」と断言した報道に改めてほしいです。何に気がねして断定した報道をしないのでしょうか。 篠原自身は、そんな判定を覆すだけの試合ができなかったことを嘆いていました。勝負に勝って試合に負けたってことなのでしょうかね。判定は悔やまれますが、日本柔道のナンバー・ワンとして、あなたの戦いは日本中が認めています。よく頑張りました。お疲れ様でした。
(2000/09/23 pm0:20)
【競泳】 オリンピックのあり方を考えさせてくれたシーン
今大会、オーストラリア地元勢の活躍により競泳が盛りあがっています。詳細不明ながらアフリカから参加した選手が印象的なシーンを演じたと某テレビ局の五輪特番で紹介されていました。男子100m自由形の予選第1組で、何故か3選手のみでレースが行われました。そこで信じられない光景が......。くだんのアフリカ某国から参加の選手以外がなんと2度のフライングを犯して失格となり、あの巨大なプールでたった一人のレースを行うことになってしまったのです。しかもその選手、どういう事情か100mを泳いだことがなかったのだそうです!!。何とか50mを泳ぎきりターン、しかし途中でほとんど前に進まない状態に...。会場に詰めかけていた観客も異様な光景に大興奮。スーパー・スターのソープ選手に負けないほどの大歓声で彼の泳ぎを見守ったとのことです。泳ぎ終えた彼のコメントで、「こんなに応援してもらったことに感激している。これからも泳ぎ続けたい」。 どうして他局は紹介しないのでしょうか。オリンピックのあり方そのものを考えさせてくれるような象徴的なシーンです。 潤沢な資金を背景に大選手団を送り込んだ日本。中には優勝を争そえるほどの選手もいますが、中には予選敗退......しかも大敗という競技もあります。日本記録を更新しても決勝に残れない競技もあります。「そんな競技には大金はたいて選手を送るな!」との声もあります。しかしその競技選手とすれば世界大会など夢の夢、自らのレベルが劣っている...それだけしか分からないのです。直接強豪選手とぶつかることが、どれだけ貴重な体験になることか。 選手派遣にあたっては、その競技ごとに、メダルを争そう「強化競技」と、参加することに意義がある「普及奨励競技」に明確に分けることが大事なのではないでしょうか。どの報道を見ていても、そんな区別はしていません。まるでどの競技もメダルが取れるような、そんな誇張した選手紹介に溢れています。何も知らない我々は、「前評判だけの選手」などという誤った認識をもってしまうじゃないですか。 オリンピックの基本精神、それは「参加することに意義がある」だったのではないのでしょうか。それを具体的に見せてくれた今回の競泳のこのシーンは、私達のオリンピック観戦の大事なことを思い出させてくれたような気がしてなりません。 (2000/09/23 pm0:40)
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