【社会】 それ本気?、地下鉄日比谷線脱線事故の原因についての発表に疑問あり。 さる3月8日の朝、通勤時間帯の営団地下鉄日比谷線下り電車が中目黒駅手前で脱線したまま走行し、カーブで脱線した車両が外に膨らみ、対向車両と接触し車両の側面が大破し多くの死傷者をだすという惨事がおきました。個人的には日常利用している区間では無いので、特段の影響はなかったものの、少なからず通過している区間なので複雑な思いがします。列車運行にかかわる詳しいことは知りませんが、今日現在で発表された原因について大いなる疑問があります。 中目黒駅は地上にあり地下から急勾配の坂を登っていきます。しかも都市部の地下鉄事情で非常に狭い空間で、地上を走る東急東横線の渋谷方面への進路と地下トンネルを平行させるという、まさに神業のような線路になっています。このような構造的な問題点もあるでしょうが、今回の事故の直接原因にはなりえません。鉄道車両の車輪についている支えが何らかの事情でせりあがり、車輪が脱線し、そのまま現場まで走行したため事故が起きた。現時点ではそのような報道がなされていますが、この報告を本気で信じているのでしょうか。 日比谷線には車掌が乗務しています。しかも脱線した最後尾の車両に。何らかの原因によりせりあがり現象が起こったにしても、何トンもある車両が持ちあがり軌道から外れた時点で、車掌は気づかなかったのでしょうか。そんなはずがありません。脱線すれば車両には相当の衝撃があったはずだし、いくらトンネル内であろうとかなりの音がしたはずです。そんな異常事態に車掌が走行の緊急停車という処置を取らずにそのまま走行させた...本気でそんなこと信じろというのでしょうか。運転士にしても通常の車両運行とは異なる慣性を感じたはずです。 事故直後の警察の動きも妙です。事故処理に奔走した営団の対応には真摯な姿勢が覗えましたが、事故に関して最も事情を聞きたい運転士と車掌を、事故直後から拘束し、同じく事情を聞きたい営団幹部との面会も拒絶していました。被災者の処置状態を刻々と確認・報告していた営団側も、肝心の事故原因究明にあたっては直接の当事者からの事情が聞けなかったのですから、苦々しい思いだったに違いありません。 いずれにせよ脱線したまま走行を続けたなどという、まるで信じられない発表を鵜呑みにできません。地下鉄は快適で便利で、そして安全な交通機関です。そんな信頼に十分応えられる結論をできるだけ速やかに発表してもらいたいものです。 (2000/03/11) *追記 今日夕方のニュースで営団側の発表として、脱線を感知して10数秒後に車掌が緊急ブレーキをかけたということですが、乗客は「衝突しつつ減速した」とインタビューに答えていました。脱線して傷付いた枕木と衝突現場との距離を測れば、どちらが正しいかすぐに分かります。果たして...真実は一つです。(2000/03/13) |