【社会】犯罪加害者の更正よりも被害者保護を...。 婦女暴行で有罪を受けた受刑者が出獄後、いわゆるお礼参りで告発した被害者を殺害した事件で、検察の無期懲役の求刑を棄却して死刑の判決を下すというニュースが伝わりました。今回の事件を一般市民からの犯罪告発の危機と位置付けて、このような事件については極刑をもって断罪するという裁判所の判断です。この考え方を私は支持します。 個人の努力では絶対に防ぐことの出来ない犯罪や自然災害に巻き込まれた被害者は、まず第一に国が保護すべきだと思います。犯罪被害、とくに刑事事件については、加害者もしくはそれに代わる者が補償するのが前提ですが、国がまず被害者に補償し、加害者は国に対してその対価を支払う...このような構造になってほしいと思います。でなければ、いつまでたっても被害者への補償は進みません。毒ガスによる大量殺人事件を起こした一連のオウム事件にしても、被害者の中には一家の大黒柱を失い、日々の生活に窮している者もいる反面、直接手を下した者は当然として組織そのものは依然として存在している...このやるせない現実をどう理解したらよいのでしょうか。 犯罪加害者に対しての再発防止のための更正活動はもちろん重要です。しかしそれ以上に被害者の保護・補償はもっと重要なはずです。 例えば犯罪報道にしても、被害者の住所・氏名は公表され、加害者は人権保護の名のもとに公表が妨げられる。これは絶対に間違っていると思います。もし加害者の更正の可能性を信じて氏名を公表しないのなら、同様に被害者の氏名も公表しない...そうしなくては、事件後の加害者と被害者の社会生活はイーブンになりません。被害者の人権をもっと重視しなければ、世の中生きていくは辛くて仕方ないです。 もっとちゃんとした法整備を早期に実現してもらいたいものです。 (2000/02/29) |