【社会】「日の丸」、「君が代」 その前に 先日の新聞に載っていて、思わず目を疑った記事がありました。ある小学校で卒業式の予行演習では式次第にも無かった「国旗掲揚・国歌斉唱」が本番で行われ、それに抗議した教師が処分されたというものです。 「君が代」を強行したのは校長と教頭、さらには来賓の教育委員会の面々だったそうです。参列していた生徒、父兄、教師は着席のままその様子を眺めていたそうです。戦前の教育体制という大いなる教訓をもとに、文部省が強行した公式行事での君が代斉唱には絶対反対を表明している教師は多いと聞いています。抗議した教師の言い分は、「予行演習で行われていない以上、突然の挙行は式の進行に支障がある」というもので、しごく当然の主張です。それに対して教育委員会の処分の理由は「マイクを使って挙行に抗議して、式の進行を妨げた」というもの。どちらの言い分が正しいかは誰の目にも明らかです。国が定めた君が代斉唱ならば、予行演習の際にも行うべきです。それをせず当日いきなり強制したところで、ただでさえナーバスな問題なのに、管理する側と現場を預かる側との溝を深めるだけだということが分からないのでしょうか。 戦前の軍国主義教育は、お上の指示が絶対で、それに意見などしようものなら国賊扱いで問答無用の処分を課せられました。戦後民主主義教育などという表現すら既に時代錯誤の感がある今、まさに戦前以上の問答無用の押し付けが堂々と行われている現実を、どう考えれば良いのでしょうか。 象徴としての天皇制度、日の丸、君が代の是非以前に、こんな筋の通らない出来事が教育の現場で繰り広げられている...これでは学級崩壊、教育レベルの低下といった、教育現場本来の問題解決など期待すらできません。 こんな茶番が私達が治めている税金を使って行われているなんて、絶対に許されません。これが素直な感想です。 (2000/02/06) |