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【スポーツ】本当にプロ? 日本の女子ゴルフ。

 女子プロゴルフトーナメントの大会運営なんて仕事を私はしています(と言っても年に1本だけですが...)。今年もGW前に大雨の中で何とか終了することができました。そんな縁もあって、もっと大会が盛況になるように、もっと日本の女子プロゴルフが盛り上がるように...ということを考えることがあります。今週、東京読売CCで行われているトーナメントには、昨シーズン、アメリカのツアーで大活躍した韓国の朴セリ選手が初来日してトーナメントに参加しています。初来日ということで、とてもゴルフに集中できる環境ではないことは想像に難くないので、まぁ、ぼちぼちの成績でも仕方ないかなぁなどと思ったりしますが、それにしても日本のトーナメントの質が低いと改めて感じてしまいます。
 3日間の予選が終わってアンダー・パー(イープンも含めて)5人ってのは、一体何なのでしょうか。108名出場して上位50名が決勝進出...これがトーナメントの基本的なルールです。50名中5人???。天候がめちゃくちゃ不順だったとか、コースがぐちゃぐちゃになっちゃった...ってのなら分かるけれど、期間中はまさに五月晴れ、絶好のコンディションじゃないですか。なのに何故こんなスコアなのですか?。
 そんな仕事の関係から、JLPGAの方針として、トーナメントに使うコースというのはコンディションが一流であることは当然として、戦略性が重要なのだと聞いたことがあります。つまり、アマチュアが攻めてもプロが攻めても攻め方が変らないコースは、トーナメントには使わないということだそうです。ギャラリーの大半を占めるフマチュア・ゴルファーが同じコースをまわった時に、「え?、ここをこんな攻め方するの?。さすがプロだね...」そんなコースを選ぶのだそうです。しかし、コース設定(もちろんピン・ポジションも含めて)側の思惑以前に、スコアがアンダーになる選手がこんなに少ないなんて、これってどうなのでしょうか。
 プロのトーナメントは予選を通過しなければ賞金は一銭も貰えません。トーナメント参加に必要な交通費や宿泊費、その他経費のすべてが持ち出しです。それでもトーナメントに参加できるだけ幸せで、参加できずにひたすら予選会に向けて練習しているプロがどんなに多いことか...。そんな厳しいピラミッド構造の上位に位置するシード選手(約50名)と予選会の上位選手(約50名)らによって争われているトーナメントにもかかわらず、このありさま。スポーツなので調子の好不調はあったにせよ、でも揃いもそろって全員が不調な訳ないじゃないですか。
 「パー72」ってことは、72で回って当然って意味じゃないのですか?。72じゃ回れないコース作りしているのですか??。絶対に違いますよね。シード選手の選考基準をマネーランキングだけでなく、平均ストローク数なども考慮に入れたほうが良いのではないでしょうか。さらにプロ資格も何年かごとに更新するなどして、もっとプロの競技者としての自覚を促したほうが良いのではないでしょうか。さらに、いくら予選を通過したからといっても、トップから10数打も多くたたいても賞金がでちゃう賞金配分の仕組みも何とかならないものでしょうか。プロ選手の生活補償ばかりに目がいっちゃうと、その競技そのものの魅力が無くなるような気がして仕方ないのですが...。
 私達が期待しているプロ・スポーツ競技は、技術レベルの高い競技であって、そんなレベルの高い者同志の駆引きを期待しているのではないでしょうか。大会期間中、ぶっちぎりでトップを走っていた選手が、最終日にオーバー・パーでも優勝しちゃう大会って、盛り上がらないんですよね。一打一打で順位がめまぐるしく変る...そんなトーナメントだったら盛り上がること必至。中継しているテレビの視聴率だって期待できますよ(笑)。運営側は胃が痛くなっちゃいますけど(爆)。いかがなものでしょうか...。
(1999/05/08)


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