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【社会】世にも怖い話

 1999年7の月がもうすぐ何事も無く過ぎようとしています。でも何事も無く...というのは本当は違っていて、世間では相変わらず色々なことが起こっています。飛行機を操縦してみたかったという理由だけでハイジャックした挙句、機長を刺し殺すという暴挙を犯したバカ者がいたり、赤の他人に何の理由も無く数億円もの生命保険を契約して本人に代わって保険金を払っていたと主張しているアホ。単なる虚栄心で身のほど知らずの嘘を付き、ついに洒落ではすまなくなってきた化粧の濃い肥満気味のおばちゃんの話など...。
 さて今に始まったことではないのですが、今日テレビのニュースを見ていて身の毛もよだつ怖い思いをした話が二つあったので、ちょっと語ってみたいと思います。

 まず一つは今年の防衛白書が発表になったのに合わせて改めて取り沙汰されている北朝鮮によるテポドン・ミサイル発射問題について。みなさんもご承知の通り、この事件は昨年8月に起きました。改めて考えてみると、まさに全身凍る思いがします。少なくとも二段以上の複数のロケットエンジンを持つこのミサイルは、北朝鮮政府の発表によれば人工衛星打上げロケットだとのことですが、ロケットだろうがミサイルだろうが、その一部が日本海と日本列島の上空をまたいで三陸沖それぞれに着水したことは重大です。発射地点から等芯円を描くと、もし方向がズレていたら二段目は間違い無く日本列島に落ちていた...。こんな怖い話があるでしょうか。何の予告も無く、いきなりこんなものが落ちてきたら、その被害は想像するだけでもゾッとします。ましてやミサイルだったら...。もともと計算のうえで切り離されたロケットが海上に落ちることを想定していたという主張を信じたにせよ、事前に何の連絡も無しにこんな無謀な実験をするなど弁解の余地は無いはずです。しかもこんな事態を起しておきながら、しゃあしゃあと「我が国の科学技術は云々...」とのコメントのみに終始する北朝鮮政府。謝罪の一言も無いなんて、それが隣国に対してするまともな国の態度なのでしょうか。先進国からの食料援助を受けてもなお国内では餓死者を出すような時に、科学技術に予算を支出する国など聞いたことがありません。そんな国が日本海をはさんですぐ隣にあるということ...どのくらいの重さでみなさんは認識しているのでしょうか。
 戦争を知らない私達は、過去の日本が取った隣国への行為に対して償うこと以上に、これからの友好関係を築いていく責任があります。こんなことをされては、そう思う気持ちが萎えてしまっても仕方ないと思うのですが...。

 そしてもう一つは公立学校職員の不登校問題。生徒じゃないですよ、教職員の不登校 !!。学級崩壊の事例が報告されてから、何年経っているのでしょうか。未だに解決の糸口さえ見つからずにいるなんて、日本の教育行政は一体何をしてきているのでしょうか。学級崩壊が怖いのではなくて、その事態に何ら解決策が取られていないことの方が怖いです。「板挟みになって一人悩む教師に対してカウンセリングの対応を取るように指導している文部省...」なんてレポートされていましたけど、これって根本的な解決策ではありません。何故教師が孤独に板挟みになっちゃうんですか。学校は何をしているのですか。各地の教育委員会は何をしているのですか。文部省は何をしているのですか。学級崩壊の問題解決が遅れていることが教師が不登校になっている原因なのではないですか。学級崩壊が一教師の対応のまずさが原因で起きているのなら、こうした対応でよいでしょう。しかしこれはもっと深いところに原因があり、日本の教育システムそのものに問題があるのは明らかじゃないですか。にもかかわらず何年も放置したままで、それでよく学校長だ教頭だ、教育委員会だ文部省だと、しゃあしゃあとその地位にいられますね、あなた達は !!!。あなた達の(労働対価の報酬としての)給料は、国民の税金で賄われているのですよ。私達が稼いだお金の一部を、あなた達に行政行為を委託し、その成果に対しての報酬として使ってくださいと拠出している...この構図を忘れてはいませんか。教育行政は教師個人がするものではありません。上級監督者が誰も責任を取らずに現場の担当者が悶々と悩む...こんな図は決してまともじゃありません。私企業にも同じ構図は存在しますが、この「誰も責任を取らない」世の中って、本当に怖いと思いませんか。

 暑さで寝苦しい日が続いています。いずれの話も私が個人で悩んでいても仕方の無いことだと思います。きっと明日の朝になればこんなこと忘れてしまい、また普段と同じように生活するのでしょうが、いずれも心底ゾ〜っとする話だと思いませんか。いやな世の中です、まったく...。
(1999/07/29)


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